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男性不妊について

男性不妊について、英メンズクリニックの江夏徳寿院長に教えていただきました。

当サイトの英メンズクリニックページ

英メンズクリニックは、関西で初めての男性のための不妊治療専門クリニックとして開業しました。

不妊治療は、これまで女性側の問題として捉えられがちでしたが、近年は男性側に原因がある場合も多いことが解明されてきています。
不妊に悩む男性専門クリニックとして、女性とは異なるアプローチで、男性のための不妊検査および治療を行ってもらえる所は他にないので、とても貴重なクリニックだと思います。

 

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[院長:江夏 徳寿医師]

 

近年、不妊症について注目が集まっています。

菅総理は不妊治療への補助を拡大する方向で現在調整中ですが、背景には不妊治療のニーズが年々増えてきていることがあります。

同時に男性不妊の治療に対するニーズも増えてきています。

ほんの10年ほど前までは不妊といえば女性の問題であると捉えられることが多く、男性不妊という概念はあまり知られていませんでした。

しかし、近年不妊症の原因の50%程度は男性因子も関与していることが一般にも知られるようになり妊活は夫婦一緒に行う方が増えています。

約半数は男性側の原因が関与している

 

とはいえ、男性不妊外来と聞くと何をされるのか分からないので不安だという方もいらっしゃるかと思います。

では、実際にどの様な検査があるのでしょうか?基本的にはまず問診と精液検査、超音波検査、ホルモン採血などの検査を行います。

多くの検査や治療は保険が適応されており、それほど高額な治療はありません。

最も多い病態は乏精子症や精子無力症、無精子症といった精子の問題になります。

男性不妊といえば無精子症を思い浮かべる方も多いと思いますが、無精子症とまではなくても精子の数が少なかったり運動性が低かったりするような病態の方が多く、この様な精子の問題は病態に応じて改善できることが多くあります。

男性不妊を改善することのメリットとして次の様な事があげられます。

  • 女性の治療がより簡単なものになる可能性がある。
  • 女性が同じ治療を受けていた場合に精子の状態が良い方が妊娠の確率が上がる。
  • 男性も治療を受けることで、妊活への意識を夫婦で共有しやすくなる。

 

男性不妊外来では何をするのか?

ルーチンで行う検査 追加で行う検査

問診

外性器視診

触診

精巣容量測定

精液検査

超音波検査

内分泌検査(LH,FSH,E2,T)

精子DNA検査

染色体検査

(Gバンド)

遺伝子検査(AZF)

射精後尿検査

尿培養検査

精液培養検査

精子の問題が軽度であれば、生活習慣の見直しや内服治療といった簡単な治療で改善する場合もあります。

精子の状態を改善させるための生活習慣として以下の様なものがあります。

造精機能を高める生活習慣

禁煙

 

喫煙は精子の濃度や運動率を低下させることが報告されています。

また、精子のDNAにダメージを与える事も報告されています。

DNAが損傷した精子が受精すると受精卵のDNAも損傷することになりますから、妊活中は禁煙する事をお勧めします。

長時間のサウナや下半身に熱がこもる服装は避ける

精巣は熱に弱い臓器です。

精巣は人体の中で唯一、体外にある臓器ですが、それは体温より2℃程低い環境が精子を作るのに適した温度だからです。

実際にフィンランドの研究では、週2回以上サウナを利用している方の精子の濃度や質の低下が認められたと報告されています。特に夏場や、高温環境下で仕事をされている方は陰嚢周囲に熱がこもらないように注意してください。

メタボを予防し適度な運動を

アメリカで行われた調査では、肥満男性はそうでない男性に比べて、精液量、精子濃度、総精子数が低い方が多かった事が確認されています。

日本人にはそれ程肥満の方は多くありませんが、検診でメタボを指摘されている方は、気をつけた方がいいでしょう。

メタボを解消するには、適度な運動が勧められますが、一方で過度な運動で体に負担をかけすぎると逆効果になることもありますので、疲れが溜まらない程度の運動を心がけてください。

内服の育毛剤は中止を

内服の育毛剤の中には、男性ホルモンの活性を抑える働きを持つものがあります。

男性ホルモンは精子形成に必要なホルモンになりますので、育毛剤の内服によって精子の状態が悪化する事があります。

また、勃起不全を引き起こす場合もありますので、妊活中には中止していただくことをお勧めしています。

睡眠時間の確保を

睡眠はホルモンの分泌にも関わっており、睡眠時間も精子の状態に関係する事が確認されています。

1日7時間程度の睡眠が精子形成には望ましいと考えられています。

バランスの良い食事やサプリの活用を

ヨーロッパやアメリカの研究では糖質や脂肪の多いアメリカンな食事よりも地中海食と呼ばれるようなあっさりめの食事を摂っている方が精子の状態が良いと報告されています。

地中海食というとやや馴染みがありませんが、野菜やナッツ類、魚介類を多く使用した食事ということで和食でも同様の効果が期待できると考えられます。

また、サプリでは葉酸、ビタミン類、亜鉛、コエンザイムQ10などは精子の状態を改善させることが報告されています。

男性不妊外来では、上記の様な生活習慣の指導に加えて、男性ホルモンや下垂体ホルモンが低下している場合はホルモン分泌を促す薬剤を使用したり、精索静脈瘤がある場合には手術療法(保険適応)を選択する場合もあります。

この様な治療が奏功し、精子の状態が良くなれば、当然妊娠のチャンスは広がります。

実際に乏精子症のため体外受精や顕微授精が必要と考えられていた方が、人工授精やタイミング法で妊娠されたというケースも幾度も経験しています。

もちろん受診された方の全員に治療が奏功するわけではありませんが、男性も治療を受けていただく事によって、夫婦が現在行っている治療への理解は格段に深まります。

妊活は夫婦で行うものですから、夫婦で問題点と意識を共有する手助けをするという点も男性不妊外来の重要な役割と考えています。

この様に、男性不妊といっても、個人個人で抱えている問題は様々ですのでまずは、気軽に検査だけでも受けていただくと道が開けることもありますよ。

 

英メンズクリニック院長:江夏徳寿(日本泌尿器科学会専門医・日本生殖医学会生殖医療専門医)

 

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