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不妊治療と健康保険

 

朗報!今でも一部の不妊治療で、健康保険が使えます。

菅総理が「不妊治療に保険適用を」と言ったため、今はまだ健康保険が全く使えないと思っている方も多いと思いますが、実はすでに一部の不妊検査や治療には、健康保険が使えるようになっています。

例えば「子宮や卵巣に妊娠しにくい原因が無いか」調べる検査(エコー検査や子宮鏡検査)や、子宮内にポリープや筋腫がないか調べる子宮鏡検査は保険適用です。

また、レントゲン検査(卵管造影検査)で「精子と卵子が出会う、唯一の通り道である卵管が狭くなっていたり、通り抜けられなくなっていたりしていないか」を調べる事も健康保険が使えます。

 

「排卵がうまくできているか」「うまく妊娠を継続できるか」を調べる血液検査や、「クラミジアや細菌による感染をおこしていないか」を確かめるおりものの検査にも健康保険が使えます。

お薬では「排卵しにくい人が排卵しやすくなる」薬、妊娠のタイミングと体温は密接な関係があるため「基礎体温が安定しない人に飲んでもらう」薬などがあります。

これらがきちんと効いているかを確認する定期的な検査(血液検査やエコー検査)にも健康保険が使えます。

 

不妊手術も健康保険が使えます。

子宮鏡検査にて子宮内膜にポリープがみつかり、妊娠しにくい原因となっている場合に行う切除手術も保険適用です。

卵管をレントゲンで検査した結果、「狭くなっていたり」「通れなくなっていたり」していた場合「卵管を広げて通りやすくする手術」FT(卵管鏡下卵管形成術)は、健康保険が使え、高額療養費制度も使えます。

また、不妊治療を始める前に民間の生命保険会社で医療保険に加入していたら、健康保険が使える手術は多くの場合「手術給付金」の対象となりますので、ご自身の生命保険、会社の団体保険、共済保険などに確認されてみると良いでしょう。

 

一方、現在においては健康保険の適用とならない不妊治療もまだまだ存在します。

2022年4月に保険適用拡大の検討をされるものとして注目をされているのが、体外受精や顕微授精といった高度な不妊治療です。

また、一部の医薬品や人工授精も新たに保険適用で処方が可能になるとの報道もあります。

健康保険でできる治療が増えることは、非常に望ましいですね。

 

保険適用って?国民皆保険制度とは…

日本は国民全員が健康保険に加入している、国民皆保険制度の国です。

病気になったり、ケガをしたりして治療をするときに健康保険を使うことで、かかった治療費の3割を支払うだけで済みます。

例えば、お医者さんにかかって、お会計の時に3000円を支払った場合、実際は1万円の治療を受けていたことになります。(7000円は健康保険から病医院に支払われます)

この時の治療費1万円(自己負担は3000円)というのは、国が決めた金額のため、どこの病院で治療したとしても、1万円で変わりがありません。

お薬も同様に、全国のどこの薬局に行ったとしても、同じ薬なら同じ金額になります。

この保険制度があるため、日本では誰でも等しく医療を受けることが出来ています。

この、誰でも等しくというのがポイントで、健康保険の適用となっている検査や治療は、基本的にどこに住んでいても受けられるように整えておかないといけません。

「〇〇病院だけがやっている世界最先端の特別な治療」というのは、保険適用とはならないのです。※生命保険会社のCMで言っている「先進医療」などが、イメージしやすいでしょうか。

そうは言っても、高い薬を飲み続けたり、ダヴィンチというロボット手術を受けたりと、治療費が高額になってしまうと、3割負担とはいえ経済的なダメージは大きいです。

【※話がそれますが、国産の医療ロボット「hinotori™」が川崎重工とシスメックスの共同で開発されました、これからの活躍に期待です。】

医療費を心配して、お腹が痛くてもギリギリまで我慢をし、取り返しのつかないことになれば大変です。

そこで、一定の金額を超えた医療費は「3割(30%)負担」ではなく「1%」で済むような、高額療養費制度という制度があり、経済的な理由から治療をためらうことが無いようになっています。

 

とても手厚い日本の健康保険制度

実は「世界に誇る日本の健康保険制度」は、その手厚さ故に少子高齢化社会が進むにつれて、財政難で破綻すると言われており、少子化対策の一環として、不妊治療に保険適用を進めるのは、必然なのかもしれません。

ただ、財源が国民の税金や保険料となりますので、効果がはっきりとしている治療でないといけません。

今までの不妊治療は、保険適用の範囲外だったため、施設ごとに試行錯誤しながら独自のメソッドを確立してきています。

Aクリニックで使っている薬をB医院では使用せずに治療しているなんてことが、当たり前にありますので、これらの違いをどうやって一般化させて統一していくかが今後の課題です。

 

 

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