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これから不妊治療を始める方へ

2022年4月から、いよいよ体外受精が保険適用拡大となることで、いままでハードルが高いと感じて受診をためらっていたけれど、これから不妊治療を始めてみようと考える方も多いでしょう。

そこで、不妊治療クリニックに初めてやってきた患者さんが、どんな検査をするか、プリュームレディースクリニックの山野由美香医師に教えていただきました。

当サイトのプリュームレディースクリニックページ

プリュームレディースクリニックは、神戸市東灘区岡本に女性医師による不妊治療クリニックとして2021年2月に開業しました。

開院してすぐの2021年5月には、朝日放送の報道番組のキャストで「保険診療でできる不妊治療」として特集されていました。

不妊治療は、非常にデリケートな診療科であり、診療を担当する医師が女性医師であることは、患者の皆さんにとって非常にありがたい事だと思います。
体外受精を行わず、現在でも健康保険の適用となる不妊治療手術、FT(卵管鏡下卵管形成術)が施術できる、日本でも数少ないのクリニックです。

 

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[山野 由美香医師]

不妊治療の保険適用拡大に伴い、多くの方にとって不妊治療が身近なことになるのは、とても喜ばしい事だと思います。

ただ、不妊治療=体外受精ではありません、検査によって不妊の原因を探ることから始まり、原因によって治療内容も変わってきます。

妊娠にいたるまでには、大きく以下のような段階があります。

妊娠までの3つのステップ

妊娠が成立するためには、「排卵」→「受精」→「着床」の3つのステップが必要です。

卵子が育つまで

卵巣には、「卵子のもと」となる細胞が、赤ちゃんとして生まれた時には200万個程度ありますが、思春期の頃には20~30万個、35歳では2~3万個程度まで減っています。

卵巣では、この「卵子のもと」の中から毎月、数百個をホルモンによって卵子になるように育てています。

 

排卵

「卵子のもと」を育てた中で、一番状態の良いものが卵子として排卵されます。

卵巣から飛び出した卵子を卵管の先端にあるラッパ管で拾い上げることで卵管内へ取り込み(ピックアップ)ます。

 

精子と出会うために

排卵が近づくと、子宮側の入り口から卵管内に精子が入って来られるようになります。

卵管は、精子と卵子が出会う、唯一の通り道になるため、ここが通りにくいとなかなか妊娠がし辛くなってしまいます。

 

受精

子宮内は精子にとって、非常にストレスのかかる環境になっています。

これは、数億の精子の中から最初に卵子に出会ったものだけが受精を行えることから、最も健康な精子を選ぶためにそのような過酷な環境となっています。

最も状態の良い「卵子のもと」が卵子になり、一回の射精のなかで最も健康な精子と受精するように、人間の身体はできています。

ちなみに精子の女性体内での寿命は72時間といわれますので、この寿命期間の間に卵子と出会って初めて受精が成立します。

 

着床

受精した卵子は、細胞分裂を繰り返しながら子宮の奥の方へ着床します。

この時、上手く着床できなかったり、受精した卵子か精子に染色体異常などがあった場合、着床しても育つことができずに、流産となってしまうこともあります。

 

不妊治療を始めるときの検査について

不妊治療では、妊娠出来ない原因を探るために様々な検査を行います。

血液検査

血液検査では、以下の事がわかります。

  • 卵巣機能検査
  • 貧血、甲状腺異常の有無

血液検査により現在の自分の卵巣がどのくらい正常に働いているか(排卵がうまくできるか、卵子を育てることができるか、自然に排卵を起こすことができるか、排卵後に着床するために必要な卵巣からのホルモンが正常に出ているか)が確認できます。

また、貧血や甲状腺異常などは妊娠を希望する年代に起こりやすいですので、事前にわかれば治しておくことにより、妊娠もしやすくなり、妊娠後もより安心して過ごすことができます。

その他、抗ミュラー管ホルモン(AMH)という数値は、卵子が自分にどのくらい残っているかを調べることができ、それにより治療をするかどうかを考える際に参考になることがあります。

ただし、保険適用では検査ができませんので、希望があれば相談されるとよいでしょう。

 

エコー検査

内診にて、膣より細い器具を入れて子宮と卵巣の状態を確認します、通常は痛みは特にありません。

子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣に異常がないかなどは妊娠を希望される方にはとても重要です。

排卵がどのくらいの時期に起こるかどうか、また起こったかどうか、着床して卵子を育てる場所となる子宮の中の子宮内膜についても詳しくみることができます。

 

子宮鏡検査

子宮の中を胃カメラを細くしたようなカメラ(子宮鏡)にて子宮の中にポリープなど着床の邪魔になる異常がないかどうかを調べることができます。

また、子宮内膜炎という炎症があると着床しにくくなることがありますが、子宮鏡検査により詳しく観察することができます。

 

子宮卵管造影検査

造影剤を子宮に通し、レントゲンで映しながら卵管に異常がないかを調べる検査です。

卵管は卵子が精子と出会って育つ場所となります。

 

おりものの検査

おりものに細菌感染やクラミジア感染があると、妊娠しにくい原因となることがあります。

自覚症状がなくても感染が起こっていることがあり、異常があれば消毒や抗生剤の内服などで治療していきます。

 

その他

また、ご自身で基礎体温を付けておくことで、アプリなどで排卵が起こっているかなどを自分で予測することができたり、体調管理に役に立つこともありますが、クリニックへかかっているならそこまで一喜一憂しないで大丈夫です。

自費で受ける検査は、採血でわかるものは風疹抗体、抗ミュラー管ホルモン、ビタミンDなど、また子宮内膜炎の精密検査として子宮内膜生検などがありますが、治療を行う前に最初からするべき検査かどうかなどは、年齢や治療のご希望、費用などによって優先順位が変わります。気になる場合は相談して、調べてみることをお勧めします。

 

プリュームレディースクリニックのHPの、不妊かも、と思ったらというページや保険が使える不妊治療というページでも、説明していますので、参考にしてみてください。

 

プリュームレディースクリニック医師:山野由美香(産婦人科専門医)

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