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不妊治療と生活習慣①

 

「私って不妊なのかな…でも何から始めればいいんだろう?」「不妊治療を受けているけど他にできることがあれば取り組みたいけど…」とお悩みではありませんか?

妊娠率を高めるためにご自身で取り組めることがあるかもしれません。

このページは、実際に不妊治療クリニックで働く、現役の看護師からのアドバイスです。

 

健やかな妊娠、出産を迎えるために大きなポイントとなるのが、食事、運動などの生活習慣です。

妊娠のため、そしてベストな状態で赤ちゃんを育み出産するために、ご自身の生活習慣を見直してみませんか?

 

食事

まずは健康なからだづくりが大切です、しかしこれを食べれば妊娠するという魔法のような食べ物はありません。

栄養バランスを考えて、ひとつの食材に偏らずに、バラエティに富んだ食事を心がけましょう。

健康なからだづくりのために必要となってくるのは、たんぱく質や脂質、糖質、ビタミン、ミネラルなどの5大栄養素と呼ばれている栄養素です。

充分な栄養素を摂取するためには、食事の回数や時間帯も影響してきますので、一日3食を心がけ、生活リズムを整えることが大切です。

食生活はすぐに変えられるものではありません。

妊娠前から今の食生活を見直し、栄養バランスに配慮した食生活を実践してみませんか?

(厚生労働省:「食事バランスガイド」

 

サプリメント

しかし、中には食事では充分な量を摂取することが難しい栄養素もあります。

普段の食事の中で特に不足しがちなのがビタミンやミネラルですが、ビタミンのなかでも特に妊娠前から必要とされているのが葉酸です。

葉酸は、緑色の野菜などに多く含まれるビタミンB群の栄養素で、新しい細胞や血液を作るために必要とされ、母子手帳にも大切な栄養素として書かれています。

赤ちゃんの先天異常である神経管閉鎖障害の予防のため摂取が推奨されています。

妊娠とわかったときには神経管はすでに完成に近づいていますのでので、赤ちゃんの新しい細胞がつくられる妊娠初期まで、できるだけ『妊娠前』から葉酸をとっていることが大切です。

葉酸を多く含む食品としては、えだまめやモロヘイヤ、ほうれん草、大豆などの野菜、海苔やワカメなどの海藻類が挙げられます。

しかし、葉酸は水に溶けやすい(水溶性の)ビタミンであるため、調理方法によっては成分が壊れてしまったり、尿や汗と一緒に排泄されてしまうため、常に必要量を摂り続けなければいけません。

また、日本人は葉酸を体内で吸収・活用されにくい体質であると言われており、そのため葉酸はサプリメントで摂取することが望ましいです。

「葉酸サプリ、たくさん種類があるけどどれを選べばいいの?」と迷われたことはありませんか?

 

厚生労働省が推奨しているサプリメントからの葉酸摂取量は1日あたり400μgなので、それ以上の葉酸が含まれていることが理想です。

葉酸の吸収と代謝には、亜鉛、ビタミンC、B6、B2、B12という5つの栄養素が深く関わっていますので、葉酸に加えてこれらの栄養素が含まれていると、体内で葉酸をうまく働かせることができます。

 

運動

運動はからだの血流を良くします。

継続的な運動は、慢性疾患のリスクを減らし、健康なからだづくりに役立ちます。

様々な運動がありますが、中でも有酸素運動といわれる、ウォーキングやスイミング、ヨガは妊娠後も続けられる運動のためお勧めです。

駅まで自転車で行っていたのを歩いていくように変えてみたり、お風呂に入る前の30分間でテレビを見ながらヨガをしてみたりと、妊娠前から運動の習慣が身についているとその後も続けやすいので、今日から少しずつ始めてみませんか?

 

体重コントロール

不妊治療中は太りやすいと言われています。不妊治療中に排卵を誘発する薬を使うことがありますが、これらには女性ホルモンが含まれるため、その影響を受けて、体重が増えやすくなるためです。

しかし、太っていると妊娠しにくくなります。太っている人はホルモンのバランスを崩しやすくなり、そのために排卵障害を起こしやすいと言われています。また、太ったまま妊娠に至ると妊娠中や分娩中にトラブルを起こしやすいです。

反対に痩せすぎも問題です。若い女性では「やせ」の割合が高く、エネルギーや栄養素の摂取不足が心配されています。体脂肪率と卵巣機能とは密接な関係にあり、過度な体脂肪率の減少は、間脳下垂体系の働きを抑制し、月経不順、無月経などの卵巣機能不全を起こします。重度の無月経となった場合には、卵巣機能の回復が困難なこともあるので、過度のダイエットは注意が必要です。(厚生労働省:「妊産婦のための食生活指針」)

妊娠してからも元々の生活習慣の影響で充分な栄養が摂れず体重増加が適正ではなく、赤ちゃんが低体重(2500g未満)で生まれた場合、その赤ちゃんが将来生活習慣病を発症しやすくなることが報告されています。DOHaD説(生活習慣病胎児期発症起源説

これらのことから、妊活中からバランスの良い食事や適度な運動を心がけ体重コントロールに努めることが望ましいと言えます。

自分が理想的な体重かどうかは体格指数(BMI)で分かります。

ご自分のBMIを知っていますか?

BMIとはBMI(Body Mass Index)とは、肥満度の判定に用いられる指標で、最も疾病の少ない BMI22 を標準としている。BMI は、「体重(kg)/身長(m)の二乗」で算出され、判定は BMI18.5 未満を「低体重(やせ)」、18.5 以上25.0 未満を「ふつう」、25.0 以上を「肥満」とします。

例えば、身長155㎝で体重が53kgの方で計算すると『52÷(1.55)²≒22.06』となり、BMIは22で、とても理想的な値だといえます。

 

 

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