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不妊治療にかかる費用

2022年2月9日『令和4年度診療報酬改定』について、中央社会保険医療協議会(中医協)から発表がありました。

※3月4日に分かりやすくまとめなおされています。

その1 その2

実際にかかるであろう自己負担額の目安も載せてありますので、参考にしてください。

 

新設される内容一般不妊治療に係る評価の新設
  • 人工授精
生殖補助医療に係る評価の新設
  • 内分泌学的検査
    抗ミューラー管ホルモン(AMH)
  • 採卵術
  • 体外受精・顕微授精管理料
  • 受精卵・胚培養管理料
  • 胚凍結保存管理料
  • 胚移植術
男性不妊治療に係る評価の新設
  • Y染色体微小欠失検査
  • TESE(精巣内精子採取術)

と大きく3つの項目ごとに保険点数などが決まりました。

主なものを確認していきましょう。

保険点数は1点10円として換算します。

 

一般不妊治療に係る評価の新設

人工授精-1820点

自費では2万5千円~3万円の金額に設定されているクリニックが多かったようですが、保険では1820点(18200円)の3割負担5460円で受けることが出来ます。

従来の5分の1から6分の1で済みますので、保険適用の意味は大きいと思います。

ただ、人工授精での妊娠率は8%程度と言われており、本当に不妊治療で必要となってくるのは、生殖補助医療と言われる「体外受精・顕微授精」でしょう。

 

生殖補助医療に係る評価の新設

内分泌学的検査 抗ミューラー管ホルモン(AMH)-600点

AMH検査が半年に1回までは保険で検査することができます。

検査費用は6000円、3割負担で1800円になります。

 

採卵術-3200点
1個の場合 2400点
2個~5個 3600点
6個~9個 5500点
10個以上 7200点

採卵を行った場合、卵子が採れなかったとしてもかかる費用は3200点(32000円)です。

さらに取れた卵の数によって、追加で24000円から72000円が必要になります。

 

 

体外受精・顕微授精管理料

1 体外受精-4200点

2 顕微授精

1個の場合 4800点
2個~5個 6800点
6個~9個 10000点
10個以上 12800点

 

採卵後は体外受精か顕微授精を行うことになります。

顕微授精の場合、卵子一つ一つに対し、顕微鏡で精子を注入していく作業が必要となるため、数によって点数に変動があるのだと思います。

また、複数の卵が採れたので、一部を体外受精、残りを顕微授精というように、体外受精と顕微授精を同時に行った場合、体外受精の保険点数は半分の2100点で計算されることになります。

また、体外受精・顕微授精の適用となる方は、以下のいずれかに該当する場合になります。

  1. 卵管性不妊
  2. 男性不妊(閉塞性無精子症等)
  3. 機能性不妊
  4. 人工受精等の一般不妊治療が無効であった場合

 

受精卵・胚培養管理料
  初期胚 胚盤胞
1個の場合 4500点 +1500点
2個~5個 6000点 +2000点
6個~9個 8400点 +2500点
10個以上 10500円 +3000点

体外受精・顕微授精によって作成された受精卵から初期胚または胚盤胞を作成するための培養にも保険が適用されることになりました。

体外受精から2~3日培養した初期胚に比べ、5~6日培養した胚盤胞では数に応じて点数が加算されます。

 

胚凍結保存管理料

1 胚凍結保存管理料(導入時)

1個の場合 5000点
2個~5個 7000点
6個~9個 10200点
10個以上 13000点

2 胚凍結保存維持管理料-3500点

 

培養で出来た胚を-196度の液体窒素を用いて凍結保存するための管理料です。

凍結しないで移植する新鮮胚移植もありますが、卵巣を最適な状態に整えたい場合や、複数の受精卵できた場合などでは胚凍結もセットになるでしょう。

 

胚移植術

 1 新鮮胚移植の場合-7500点

 2 凍結・誘拐胚移植の場合-12000点

 

男性不妊に係る評価の新設

Y染色体微小欠失検査-3770点

TESE(精巣内精子採取術)の適応となるかを判断するために行う血液検査です。

患者1人につき1回に限り保険が使えます。

 

TESE(精巣内精子採取術)

 1 単純なもの-12400点

 2 顕微鏡を用いたもの-24600点

 

実際の自己負担額を考えてみる…

前提条件
  1. 採卵で卵子が6個採れて、3個を体外受精、3個に顕微授精を行った。
  2. 培養で3個の受精卵と3個の胚盤胞にすることが出来た。
  3. その中から1つは新鮮胚移植を行い、残り5つは凍結保存しておく。
  4. 初診料や生殖補助管理料、卵子調整加算、排卵誘発剤など他にも費用は掛かりますが、今回は無視して主だった治療費のみで考えてみます。

採卵術(6個):3200点+5500点=8700点(87000円

体外受精・顕微授精管理料(3個・3個):2100点+6800点=8900点(89000円

受精卵・胚培養管理料(3個・3個):8400点+2000点=10400点(104000円

胚凍結保存管理料(5個):7000点(70000円

胚移植術(新鮮胚移植):7500点(75000円

 

87000円89000円104000円70000円75000円=425000円

425000円×3割=127500円

 

ただし、これらの治療が同月内(1日~31日)で行われた場合、多くの方は高額療養費制度の対象となり、81680円の自己負担となります。

※80100+(425000-267000)×1%=80100+1580

高額療養費制度

ひと月(1日~末日)にかかった医療費のうち267000円までは3割、それを超えた金額は1%の自己負担で済む制度。
267000円の3割は80100円。

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